梅の効果・効能をより高める梅シロップ・梅ジュースの作り方

梅は様々な機能性成分を含みますが、しっかりとその成分を抽出できなければ意味がありません。

和歌山県うめ研究所の論文をもとにこの記事では梅シロップ・梅ジュース作りをする うめしごと において梅の効果・効能をより抽出するための方法を紹介します。

基本的な梅シロップの作り方

まずはじめに基本的な梅シロップの作り方は下記記事をご参考にうめしごとをしてみてください。梅の選び方のポイントなども記載しています。

梅の機能性成分

梅ポリフェノール

梅ポリフェノールは化学的にはヒドロキシ桂皮酸といい、フェルラ酸1)などを含む化合物です。フェルラ酸には抗酸化作用や美容作用などに有効であると報告されています。ポリフェノールは水に溶けやすい性質があるので、比較的短時間で作用しますが、長期間効果は持続しないので、毎日こまめに摂取することを推奨されております。

クエン酸

クエン酸2)は日常生活や運動後の一時的な疲労感を軽減することが報告されています。

参考文献の論文には「健康成人男女が継続的にクエン酸を 2700 ㎎含む食品を摂取することで、日常生
活および運動後の一時的な疲労感を軽減させる効果が期待できる
と総合的に判断した。」と記載されています。

梅の機能性成分をより高める梅シロップの作り方

梅の機能性について紹介しましたが、梅は生食することができず加工・調理して楽しむことができます。その加工方法によって機能性成分の抽出される量が変化すると和歌山県うめ研究所の論文3)で発表されているのでご紹介します。

種抜き処理

種抜き処理は論文中で最もジュース液量、クエン酸、リンゴ酸、ポリフェノール抽出量が抽出されたと報告されています。

1.生の青梅を梅取り器などで種をくり抜きます。

2024年1月6日現在ではamazonで1600~2500円程度で販売されています。

くり抜く際は青梅が固く滑ると危ないので手元に気を付けましょう。

2.くり抜いた梅に氷砂糖を入れる

何も処理せず漬け込む青梅よりも果肉が出ているので抽出される果汁などが多くなります。

3.くり抜いた種と残りの氷砂糖を入れ、発酵防止のために少しホワイトリカーをまぶす

くり抜いた種には多くのポリフェノールが含まれます。

4.4日ほどで砂糖が溶け1~2週間でシロップ完成。

8日ほどまでポリフェノールが増量しシロップ完成。目の細かいナイロンネットで濾して、湯煎(沸騰した湯で15分ほど)してから冷蔵貯蔵

冷凍処理

冷凍処理はいつでもうめしごとを出来る利点があります。私はうめしごとをする時期は収穫シーズンで忙しいので気軽にできる冷凍梅で梅シロップを作っています。普段お仕事や家事などが忙しく梅の種をくり抜いたりする手間が煩わしい方は冷凍梅からチャレンジしてみてください。

1.一晩冷凍してから氷砂糖と果実を重ねて漬け込む

冷凍することで細胞壁が破壊され果汁が抽出されやすくなります。

2.8日ほどで砂糖が溶け1~2週間でシロップ完成

目の細かいナイロンネットで濾して、湯煎(沸騰した湯で15分ほど)してから冷蔵貯蔵

加工別の抽出量

種抜き処理をするとクエン酸、ポリフェノール値が増えています。

クエン酸は2700㎎の継続的な摂取を推奨されているので、種抜き処理をした梅シロップ100mlを飲むと推奨値に近い値を摂取できます。梅シロップは約4倍希釈でジュースやうめラッシーにして飲むので1日コップ2杯程度が目安となります。


上の図は梅1kgに対して砂糖を0.6kg,0.8kg,1kgを入れた際の違いの図です。

種抜き処理をする場合は砂糖を少なめにすると食味が下がるようですので0.8kgか1kgで漬けるといいでしょう。

まとめ

加工方法によってクエン酸やポリフェノール抽出量が変化し、種抜き処理をして氷砂糖0.8~1kg漬け込む梅シロップの作り方がより美味しく梅の効果・効能を得ることができるでしょう。

冷凍梅は梅が出荷される6月だけでなく真夏の梅ジュースを楽しみたい時期でもいつでも作れることがメリットです。


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皆様のご家庭でされているうめしごとのやり方も是非教えてほしいのでコメントお待ちしております!

参考文献

1.フェルラ酸:効果効能 オリザ油化株式会社(外部サイトPDF)

2.クエン酸による疲労感軽減効果に関するシステマティックレビュー :消費者庁(外部サイトPDF)

3.梅ジュースの機能性成分を高めるための加工方法:果樹試験場うめ研究所(外部サイトPDF)

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